スイスフラン ~リスク回避通貨~

スイスフラン紙幣

スイスというのは、ご存知の通りヨーロッパにある小さな国です。四方を高い山に囲まれており、国全体の標高が高いので「スイス=山」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

さて、それほど大きな国でもなく、GDPの規模が世界有数の経済大国というわけでもないスイスですが、スイスの通貨であるスイスフランはリスク回避通貨として知られており、戦争や大きな災害など、いわゆる地政学的リスクが発生すると世界中の投資マネーがスイスへの逃避を志向します。

そのため、世界各国の通貨とスイスフランとの通貨ペアはいずれもスイスフラン買いの値動きをします。
これにはいくつか理由があります。
まず、スイスは永世中立国を宣言しており、冷戦時代にも西側と東側のいずれにも属しませんでした。つまり冷戦とは無関係であるという位置を早々に確立したので、東西の陣営が軍事的に緊張するような場面があると、世界中の投資マネーが安全なスイスに避難するというわけです。

また、スイスは歴史的に銀行業が盛んであるという土地柄があります。
特に富裕層を対象としたプライベートバンクという仕組みは一般的な銀行サービスとは全く価値観が異なるもので、人間的な信頼関係を構築しながら 顧客の資産を守ります。
「スイス銀行」といえば匿名性・守秘性の高さ等から、映画などでは悪人が利用する銀行としても描かれていますね。

銀行の破綻や地政学的なリスクが少ないことから、世界中の富裕層がスイスに莫大な資産を預けています。

こういった銀行業の存在もスイスを安全な資金の置き場所というイメージを増幅させ、何かリスクを感じるようなことがあると、資金が一斉にスイスに逃げ込むという図式が長らく続いています。

現在でも何か有事があるとスイス買いになるので、地政学的リスクという材料があると、市場ではスイス買いが意識されています。